Knowledge 店舗計画

居抜き物件とは

以前に営業が行なわれていた物件で、厨房 設備・機器、内装、テーブル、イスなどの家具などの造作が残されている物件であり、 造作譲渡の金額が明示されていることが多い。居抜きでも食器や什器などが残されていて、無償で使用できる場合もあります。

店舗物件取得に関わる費用とは

賃貸料(家賃)、敷金礼金、保証金、管理費(共益費)などの費用である。フー ドサービス経営では、売上に対する家賃(含む共益費)比率は7〜14%に抑えることが求められます。物件契約から店舗の開業日までの開業準備期間も家賃が発生することを計画に入れておきましょう。

保証金とは

テナントを賃貸する場合に一定の敷金同様の保証金を支払うことになります。入居時に預託し撤退時には返却されるものの、返却時には物件の償却を計算され、差し引かれる場合もあるため、契約時に必ず確認することが大切です。

客席数の目安

客席数は店舗面積(客席スペース、厨房その他の合計)によって決まるものですが、標準としては、店舗面積(坪数)×1.3であり、業種・業態によって1.1(夜だけの営業のゆったり空間)~1.9(カウンターだけのラーメン店などの狭い空間)の幅があります。

イメージパースとは

平面図だけでは店内や店頭のイメージが理解できないため、完成時の店舗イメージをイラストで表したものです。頭の中のイメージを具体的にイラストで表現され、より理解度が高まります。飲食店の企画作りにおいて、設計施工側と店側とが店舗イメージを共有するために使用します。デザインの基本計画のイメージを伝える手法として、スケッチ代わりに素材感も含めたCGパースを用います。
このように視覚的にイメージできるパースがあることで、設計施工者と店側の互いの相違点を最小限に抑えトラブルを避けることができます。一般的には設計者が店側の意向を聞き、イメージパース(スケッチCG)を制作することになります。

店舗レイアウトとは

店を構成するレジ、客席配置、厨房、バックルーム、スタッフルーム、トイレなどの配置を決めることですが、全体的に効率的なオペレーションを想定した上で、平面図にまとめたもののことです。店舗レイアウトを決める際には、ふたつの視点から考えなければならなりません。ひとつはお客と従業員の動線の計画、もうひとつは全体の注文から料理提供、最後の会計に至るまで全体的な流れの構築である。とくに客動線とサービス動線は、なるべく交差することなく施設計画し、サービス動線はできるだけ短く、無駄な動きやロスがない効率的、かつ生産性の高い計画にしなければなりません。

店舗工事費用とは

店舗の内外装工事費、電気・上下水道・ガス・空調工事費、看板工事費、通信(電話・NET)テーブル·イスなどの家具費、音響設備費などが必要になります。スケルトン物件の場合は、スケルトン渡し(コンクリートむき出し状態)なので、工事費以外に、 店舗設計・デザイン 費用が必要となります。フードサービス経営では、「店舗設計デザイン費用」と「工事費」の合計が年間売上高(想定)の2分の1以下に抑えることが求められます。

営業許可証の取得方法

飲食店の開業を認可した証明書のことです。
営業許可証を取得するためには、以下の手続きによる申請が必要です。

1)営業所を管轄する管轄保健所に申請
2)営業所の調査
3)許可証の交付

飲食店の営業許可申請に必要な書類は以下のとおりです。
1)申請者が個人の場合、本人の住民票。 法人の場合は会社の登記簿謄本(現在事項証明書)。
2)店舗の図面。調理場の部分は詳細に記載すること。
3)店舗付近の案内図。最寄り駅から店ま での地図。住宅地図をコピーしてもよい。
4)申請書2通。保健所でもらえる書式に記入。
5)水質検査票。水道が直結でない場合は必要。通常大家からコピーがもらえる。
6)食品衛生管理者の手帳、または調理師 免許など資格の証明書。資格がまだなく ても、講習を受けることを前提として、許可の申請および取得は可能(費用が必要)。

食品衛生責任者の資格を証明する書類。 次の何れかの原本を持参する。
◯調理師免許証
◯講習会修了証書
許可申請時までに講習会を受講していない場合は、講習会を申込み、受講料を支払って受講票と領収書のコピーを添付す れば、許可申請書は受け付けられます。

上記書類を提出後、営業許可調査の日時に、保健所の担当者が店に来て調査します。
主な調査内容(一例)
*調理場に手洗いがあり、湯が出ること。
*洗浄液があること。
*食器棚に扉がついていること。
*2層シンクがあり、給湯設備がある。
*調理場の入口にドアがあること。(ウエスタン式でもよい。)

上記のような項目を確認し、基準に達していれば許可になり、基準に達していない場合は不許可になります。許可証の受取りは、調査から1週間程度で営業許可証ができるため印鑑を持参し受け取りに行きます。

基本設計とは

業種·業態と店舗コンセプトなどを、依頼者の要望やイメージをもとに図面化し、設計施行者と共に店作りのアウトラインを確認するためのものです。設計図はじっくりと目を通し、不明点は確認することが必要です。後になってレイアウトの変更や厨房位置の変更などが出てくると大幅なスケジュールの遅れが発生し、予定していた開店日も遅れることになります。
店舗設計は、大きく「基本設計」と「実施設計」とに分けられます。飲食店の基本設計は、飲食店全体の平面計画や概要など設計方針や指針をまとめたもので、実施設計とは、内装設計の詳細から設備に至るまでの図面です。

実施設計とは

基本設計図書に基づいて、工事請負者が工事を実施し、工事費内訳明細書を作成するために必要な情報を盛り込んだ設計図書のことです。実施設計図書には、基本図の他、短計図(かなばかりず)展開図・平面詳細図・部分詳細図・天井伏図・建具表 構 造図・設備図などが含まれます。一般的には 基本設計に基づき、建物の構造や 設備の詳細などを詰めていき、設計図や仕 様書を作成することになります。飲食店の場合には、内装デザインの詳細図内容を具体的に記した実施設計図書をまとめていくことであり、いわば工事指示書でもあるこの図書によって、工事費の詳細な見積りの算出も可能になります。

設計施工分離方式とは

飲食店を企画する際に、設計と施工を分離し、設計管理と施工管理をそれぞれに統括することです。設計施工一括の場合もあるが、分離方式であれば仮定された工事費に合わせて設計をし、完全な図面をベースに金額の交渉ができます。また、契約金額に合わせて設計内容を決定する場合と、設計内容に合わせて契約金額を決めるのでは、出来上がった内装イメージや現実的に隔たりが生じます。

平面図(間取り図)とは

建物を床上で水平切断した面を表現した図面。設計図書の中でも基本となる図面であり、平面の間取りや各施設の用途の他、 床高、壁の構造、開口部の開き勝手、主要な設備や家具、厨房位置などを表示し、主要部の寸法が書き込まれているものです。切断面上にない、吹抜けや床下収納、吊り戸棚 などは破線で示すこともあります。一般的には、基本設計時に100分の1、実施設計時に50分の1の尺度で作られます。

立面図とは

店舗の外形を4方向から図面化したもので、店内の場合は4方向の壁面に合わせて表示する展開図があります。扉の開閉方向やイス・ テーブル、パントリーなどの高さの確認するため、物体を真横から見た図です。その建物を真横から見た場合、壁や屋根などがどのような高さで構成されているのかを図面にしたものです。平面図は上から見た図であり、立面図は横から見たものを図面にしたものです。

建具表とは

建具表とは、飲食店の内外装に使用されている建具(出入口、窓、棚、引き出し)などの詳細図面の形状、仕上げ 材、ガラス、金物などを描いたもので、金属性建具と木製建具に分けて記入する表のことです。主建具の番号、名称、 姿図、仕上げ 材と仕上げの方法、ガラスの種類など詳細にわたって記入され、金属性建具、木製建具のそれぞれが詳しくわかるようになっています。また扉や窓などの建具に番号を記しその番号を平面図にしたものをいいます。

マテリアルプランとは

内外装の工事で使用する建材や生地などのサンプル計画のこと。素材、装飾計画をいう。内装デザインや空間作りをどのような素材や色で装飾するか、マテリアルプランを提案し作成します。内装デザインに使用する素材のサンプルを選び提案します。

現状復帰とは

賃貸しているテナントを撤退する場合に物件内外装を現状に戻すことです。「現状復帰」という項目が契約条件となっている場合には、店舗内装や設備をすべて解体して返却しなければならなりません。この場合は、退去時に解体費用が発生することになります。

開業に必要な費用は食器、調理器具、客席の備品、事務用品、ユニフォーム、店内の装飾品などですが、開業準備期間の従業員の人件費、メニューの試作用の食材料費なども計画に入れておかなければなりません。